Vol.51

2002.8月1日号

 実に惜しい。こんなチャンスは二度とないのでは…と思えるくらい、惜しかった。
柴田高校野球部が宮城大会で、1986年に創部して以来初めて決勝に進出。長年の夢である甲子園出場の夢実現に向け、学校や町民も大いに盛り上がった。甲子園出場の指定席校である東北と仙台育英が準々決勝で姿を消し、46年ぶりに公立高校がベスト4を占めた。
 一戦一戦勝ち進むごとにチームとしてまとまり、準々決勝で仙台二、準決勝で仙台三を1点差の接戦で下し、決勝に進出した柴田高校。決勝での対戦相手である仙台西高を破り甲子園出場という夢が現実を帯び、優勝パレードや寄付金集めを心配するひとこまも。
 7月26日の決勝、3塁側スタンドを埋めた在校生や父母、町民らが夢実現に向けて大声援。先制チャンスや再三の好機に得点できず6対0で惜敗し、甲子園出場まであと一歩というとこで涙をのんだ。
 優勝と準優勝の差は計り知れないが、これが勝負の世界。ワールドカップサッカーの日本と同じように、柴田高校の球児たちにも楽しい日々を過ごさせてもらった。「2002年は惜しかった…」と、ここ何年(何十年かも?)かは口に出そうだが、早期に夢が実現されることを祈念したい。