肌をすべる空気も日毎に荒々しく、そして清々しく。
昨月から日本のそっちこっちのそばどころから、待ちに待った新そばのたよりが続々と届いています。蕎麦屋さんの壁には“新そば”の字がとても誇らしげです。 そば好きのわれわれにはたまらない季節到来。勢い良くそばをすする音がいたるところで響いている光景が目に浮かびます。 さて、わが柴田町でも11月下旬からいよいよ新そばを味わうことが出来るようになりました。多くの方々に柴田のそばの美味しさを味わっていただくため、昨年から行っている「しばた新そばまつり」が今年もまた盛大に開催されました。じいちゃん、ばあちゃんから子どもまで…416名の方々が舌鼓を打っていきました。 ・と き 平成12年11月25日(土) 11:00〜14:00 ・ところ 農村環境改善センター まつりの心臓部「そば打ち工房」は朝早くから熱気に溢れ、常時4〜5人の打ち手(しばた手打ちそば研究会の精鋭)がフル稼働でありました。疲労困ぱいであったが、最後には満足感が自然と顔をほころばせ、強面にはなんとも不似合いな爽やかな笑顔で溢れておりました。拍手! 一方、8月の種まきから始まった太陽の村の「そばづくり実践塾」。こちらも11月26日(日)で収穫祭、卒塾式を美味しくそして楽しく終了することが出来ました。詳しくは当塾専門技術員としてご指導いただいた“鐙摺蕎麦会会長”からの報告です。 その前に少しだけ、「手打ちそば教室」開催、柴田のそば粉購入についてインフォメーション。 ★太陽の村「手打ちそば教室」 地元産100%のとても美味しいそば!打ちたて茹でたてそば試食。打ったそば(4〜5人前)はお持ち帰りできます。食卓のメニュー、話題に彩りを添えます。
・日時:12/17(日)24(日) いずれも午前9:30スタート2時間30分程度 ・参加費:1,600円(材料代含む) ※そば粉の値上がりにより1月からは1,800円 ・定員:各10名(先着順) ・申込/問合せ:太陽の村 рT6−3970 ★柴田産そば粉の購入は「太陽の村」まで!!
*1kg−1,500円(税別)一番粉を使ったとても良い粉です。 【そばよもやま話】
<太陽の村そばづくり実践塾総集編> 8月20目(日)入塾式後 塾生一斉に種蒔き(約5aに3kg種をばら蒔き)
同時に白菜、大根2aの種蒔き 9月10目(日) 大根、白菜の間引き 9月中旬 そばの花が開花 11月11日(土)そば収穫 11月26日(日)そば試食会・大根・白菜収穫・卒塾式
以上が初めての塾の行事であった。これらの様子を以下まとめてお話したいと思います。
そばの種蒔きはいたって単純作業だがこれが難しいのであります。ばら蒔きはするものの覆土の加減が難しいのであります。厚すぎてもダメ、薄すぎてもダメ… 結局、結果は小生が見本に撒いてみせたところだけが順調な成育となった次第です。(そば栽培歴10年)種を撒いてしまえば後は花見の見物・・・収穫まで手間が掛からず・・・今年は訪花昆虫が異常に少なく結果的に不作でした。それでも3kgの種を撒いて玄そばで約9kgの収穫となりました。実はここからがそばの一番手間の掛かる作業になっていきます。そば通の人に教えたい…… @収穫して風乾を約一週間(この間、外に出して干し夕方とりこむ…この作業を繰 り返す。雨が降ればそれだけ期間が伸びる) A水分が15%で乾燥作業終了、つづいて唐箕による選別作業(ごみ、ほこりを取り除く) Bつぎに石抜き作業を行う(収穫時にどうしても土や右が混入してしまいます。石が入ったそばは食えません。必ずこの作業をやります。機械でできますが、当塾は人力で実施。一粒の石も見落としませんでした。 Cつぎの作業は玄そばに磨きをかける事になります。この作業はそばの実について いる細かい土や砂、それに花が咲き終わった跡に残る「がく」を綺麗に取り除く作業です。この作業も機械でなく手作業です。実が黒光りするまでざるの中で米を研ぐ要領で作業を繰り返します。 Dそしていよいよ粉を挽いていきます。当塾はこだわって「石臼」を使うことにし ました。約9kgの玄そばを2台の石臼で約2時間(ちょっと大雑把)まわし約5kgの粉を挽きました。小生が回せば粉の量は6kgは出るんだけど・・・・ただ回せばいいってもんじゃないんだよね!塾生も疲れ気味と同時にその価値観がつかめたかも・・ いよいよそば打ちとなり小生が「生粉打ちそば」を実演、その後塾生皆でそば打ち体験。皆何とかお土産になるぐらいに立派にそばを打つことができました。 その後試食会をし、二番粉で作った「そば法度汁」もいただき塾生も満足した様子だったと感じた次第です。 最後に留年したいという塾生がほとんどだったが全員卒業させた次第です。 中には現役の小学校、高校の先生もおりました。この体験を現場の教育に生かしていただければ幸いです。これからは「食育学」がますます重要な時代になると小生は思えるのです。こんな「そばづくり実践塾」の取り組みでした。
鐙摺蕎麦会会長
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