いよいよプロ野球の開幕だ。まちにまったナイトゲームのシーズンである。
今年は原監督ひきいる巨人軍にセリーグの各球団がいかに勝負を挑むか?…。興味津々でいる。オープン戦からテレビにかじりついて声援してきた。これまで最下位の阪神球団の采配を星野監督がとり、オープン戦で好成績を残した。熱血監督が選手達に闘争心を持たせる意識改革に取り組んできた結果がオープン戦にあらわれた。チーム全体に“やる気”が充満しているのがうれしい。新戦力の左腕のムーアが安定感のある投球をしていて頼もしい。 以前にも書いたが、私は“アンチ・ジャイアンツ・ファン”である。毎試合、ひたすらジャイアンツの敗北を願って対戦相手のチームに声援している。ジャイアンツが勝利した夜は悔しくて、なかなか寝つけない。“アンチ・ジャイアンツ・ファン”であるためには当然、宿敵ジャイアンツの情報に精通しなければならない。が、テレビも新聞も連日、ジャイアンツ情報を流し続けている。勉強に事欠くことは無い。そして屈強の巨人軍に立ち向うセの5球団についても詳しい選手のデータが必要である。これらのデータの収集と戦績の保存のために、スクラップブック1冊を用意する。 今年のジャイアンツだが、打線は昨年にも増して強烈な破壊力を備えた。松井、清原の充実ぶりは目をみはらせるものがある。投手陣には工藤が戻ってきた。上原は新球のカットボールとチェンジアップを会得した。切れのあるボールはなかなか打てそうにない。ただ、球数が100球を超えたときの“スタミナの不安”に私は望みをつないでいる。 さて、山田監督ひきいる中日球団だが、FAで横浜ベイスターズから移籍した谷繁捕手が早くもチームの要になった。盗塁阻止率も高く、投手陣も彼の好リードに安定した投球を見せている。森監督ひきいる横浜球団では、なんといっても鈴木(尚)の打力向上がすごい。2度も首位打者を獲得した好打者は長打力も身につけての開幕となった。投手陣ではオリックスから移籍した2年目の松本が好調。ターマン、森中、山田にも期待が集まる。 森監督のデータ野球が巨人戦にどう展開するかも楽しみである。 若松監督ひきいるヤクルト球団では新人の左腕投手石川(青山大)がオープン戦で好投した。好捕手の古田が中核のヤクルト。“ジャイアンツ対古田”の戦いも面白い。山本監督ひきいる広島球団は佐々岡投手が好調。長谷川もまずまずの仕上がりだ。若手の打線と足がジャイアンツの脅威になりそうである。 とにもかくにも、強豪ジャイアンツを叩き潰してくれるチームが現れることを毎夜願っている。 ところで、テレビのプロ野球中継の最大の欠点は9時30分で中継が終了することだ。試合は8回〜9回の佳境。逆転が有るか無いかの瀬戸際で中継が終了する。私はラジオを用意しておき、試合の成り行きを追いかけるが、臨場感は半減する。どうにかならないものだろうか?と、おもいながらの観戦の毎日である。
朝の散歩の途中に東船岡コミュニティセンターがある。自宅から東へ向かうコースの丁度中間地点である。門の両わきに桜の古木があるほか、庭の周囲には柴田町さくらの会が植樹した染井吉野の若木が並んでいる。樹高は3〜4m。枝張りも2〜3mの若木だ。この桜の蕾がピンク色に染まって大きくなってきた。このエッセイを読んでいただく4月1日には盛りと咲いていることであろう。 私の誕生日は4月18日で、この町の鎮守・白鳥神社の祭礼の日である。子供のころから、この町の桜は、祭礼の日の前後1週間が見ごろだった。今年は暖冬だったこともあって、全国的に10日位開花が早いらしい。桜前線が一気に日本列島を北上している。この暖冬が気になっている。 現代文明の発達は“地球の温暖化”というダメージを私たちの住む美しく青い惑星に与えてしまった。今後も、かけがえのない自然環境に“開発”は負の力となって働いてきた。化石燃料(石炭・石油・天然ガスなど)の消費によって、ここ100年間に地球の平均気温が2℃上昇しているという。化石燃料の消費によって生ずる二酸化炭素などの温室効果によるものである。 京都議定書を批准・発動し、排出量を規制することによって、地球環境を守るための世界的な対策が進められようとしている。(化石燃料の最大の消費国アメリカが、この批准を拒んでいるが問題だが…。 私ができることは、自宅での節電や節水、資源回収などである。心して実行したいと思う。20数年前、柴田町さくらの会を結成し、先人が残してくれた尊い文化遺産である。この町の桜樹を絶やすまいと誓った。そして染井吉野の植栽を続け“さくらの町づくり”を目ざしてきた。当時、桜の苗木を植えることが、地球温暖化の防止対策に繋がるとは思ってもみなかった。まだ、“地球温暖化”の危険信号がともっていなかった。…とおもう。 第8回の直木賞受賞作の大池唯雄先生(故人・柴田町在住でした。)は、この町の桜花を「豊満な女性のような逞しさだ」と表現した。「然り」と私も思う。そして、これらの桜樹は温暖化ガスに汚れた大気の浄化にも役立ってきたのである。これまでに植樹した染井吉野は1300本を超える。浄化作用の効果も大きなものがあろう。 風と光、土のぬくもり。春のメロディとリズムが花芽をふくらませている。駅の跨線橋をわたってゆく女子高生のおしゃべりを春の潮騒のように聞いた。 三十一音の韻律の文学の魅力にはまって三年になる。平成11年上期の河北歌壇賞(河北新報社・佐藤通雅選)を受賞した。
短歌を勉強すればするほど、類形的でまとまりすぎて新鮮味がなくなった。表現が古めかしくて色褪せてきた…などと言われるようになった。むずかしいものである。「歌は人である」と言われるが、色褪せた自分にどんな春の彩りをそえて旬の短歌を作ろうか…と考えている。 柴田町船岡在住・渡辺 信昭
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