NO28
   




                  千葉県松戸市から


 



  いつも、再び同じ美しい自然や景色とめぐり会うことはないのだから…と、今日咲く花々を心に止めておきたいと思っております。ところが、今年の春は急に初夏のような陽気になり百花繚乱、一気に咲いてしまいました。
 春の花に惜春の情もなく5月になってしまいました。夫の病院に通う毎日、余裕のない毎日だったのかもしれません。幸い順調な回復に、ほっとして庭のつるバラやクレマチスが薫風にゆれる様をながめております。
 健康に恵まれ若いつもりでいて、老いは他人事と思っておりましたが、病院で医療にかかわる方々が年下の人ばかりになっておりました。夫は高度成長期、生きがいは仕事の、まさしくプロジェクトX世代ですから、60歳という年齢に近づき病気をし、考えることが多かったと思います。
 「これからは、少しゆっくり歩きましょう。駆け足では転んでしまう歳になったね」と、話しております。入院中、船岡からわざわざお見舞いに来てくれた兄や妹達。絵たよりを見てハガキを下さった友、母、娘、息子、孫に支えられての快復です。五月晴れの光が私の心にも輝いております。