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                  千葉県松戸市から



  
 夏祭り……今年は秋田の竿灯まつりに出会いました。義弟家族が秋田市に住んで久しく、私たち家族は香川県に住んでおり、なかなか行く機会がなく、松戸市に移り、やっと念願の竿灯まつりを見ながら訪ねました。
 一本の竹竿に、横に9段、合計46個の提灯を縄で結び、ローソクの火を灯し訓練を積んだ差してが(担ぐ人)絶妙なバランスで、手のひら、額、肩、腰に載せて次々と竿を交代します。230本の竿灯がいっせいに立ち上がると、ローソクのやわらかい灯りが黒い夜空に黄金色の稲穂が揺れるような光景です。
 熟練の技は言うに及ばず、小若、幼若と呼ばれる小ぶりの竿は、小さな子供達が一生懸命に担ぎ、ときには倒れたりしながら祭りを盛り上げて、観客が総立ちになってしまいました。
 夕焼けが西の空を染めて、これから出番の子供達の緊張と、わくわくしている様子を描いてみました。

 
  仙台七夕は、私たち夫婦にとって運命の一日でした。
 8月7日秋田からの帰り道に、仙台市に寄りました。振り返ると昭和40年頃は、見合い結婚が普通で「恋愛結婚」は、ちょっと気恥ずかしい響きがありました。電話もまだ家庭に普及していない時代で、現代のような携帯電話世代には理解できないような、若い人たちには距離のある時代でした。
 夫が学生、私は研究室勤務で同じ年の友人でした。私たちは、何故か、乗合バスや市電などでバッタリ出会うことが多かったのです。夫が卒業して2年目の七夕。ごったがえす仙台で予期せずにバッタリ出会ってしまったのです。後で聞いたところによると、彼は好きな彼女に東京から逢いに来て、電話連絡が不都合で逢えなかったとのことでした。私は花嫁修業のお茶の稽古に行く途中でした。
 その後、お見合いしたりしましたが、結局、七夕さまのおはからいか、いたずらか、結婚してしまいました。「私たちが、美男美女だったら、メロドラマだったね」と、笑いながら秋風の立つ涼しい34年ぶりの二人の仙台七夕でした。 
 そうしたら、なんと、また、一番町で予期せずバッタリと短大時代の友達と出会ってびっくりしてしまいました。仙台七夕って、やはり運命の一日でした。