千葉県松戸市から さくらんぼ 香川県に住んでいた頃、子供にせがまれ庭に“さくらんぼ”の木を植えました。もう食べ頃は過ぎて、残った実が小鳥のご馳走になっているのかなと思ったりしています。
山形のいわゆる桜桃とは全く違う、ゆすらうめ風の真紅色の可愛らしい実でしたが、少女だった娘は軸から落とさないように、それは大事に摘み取ってひとつずつを大切そうに食べるのでした。娘が大学生になり、家を離れてからは、さくらんぼもどきでも心待ちしていた娘のことを想いつつ食べたものです。そして毎年、毎年、太宰治の「桜桃」の書き出しの文章と情景が頭をよぎるのです。 『子供より親が大事、と思いたい』と言って父親がさくらんぼを居酒屋で、まずそうにつまんでいる場面です。どんなに子供にたべさせてやりたかったかと、私はさくらんぼを食べる間中思うのでした。 ![]() ステンドガラスのランプと子供の絵(実際はフレスコ画)は4月1日から7日開催のステンド展に出品しました。
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